
中国から店舗ファサード、ホテル、住宅向けの建築ガラスを輸入する場合、HS第70類「ガラス及びその製品」が中心となる。しかし実務では単に「GLASS」と申告するのでは不十分で、フロートガラス、強化ガラス、合わせガラス、複層ガラス、鏡など加工状態や用途によって分類が異なる。日本税関の2026年実行関税率表で該当項と統計細分を確認する必要がある。
建築案件では一つの製品に複数工程が入る。Low-E膜、熱処理、強化、合わせ、中空層などを組み合わせた製品は、工場の商品名だけでは分類根拠が分かりにくい。輸入者は構成図、ガラス厚、層構成、加工方法、用途を把握し、通関業者へ正確に伝えることが重要になる。中国メーカーのインボイスに「tempered glass」「laminated glass」など具体的な記載を求めると説明しやすい。
輸送ではガラス特有のリスクがある。木箱やスチールラックへの固定、板面間の保護、コンテナ内での荷崩れ防止が必要で、梱包費を削り過ぎると破損による再製作の方が高くつく。特注寸法のファサードガラスは日本到着後に代替品をすぐ調達できないため、工程上のクリティカル品として扱うべきだ。
中国工場で使用する木箱や木製固定材については、無垢材を用いる場合にISPM15対応の確認も必要になる。合板など加工木材は扱いが異なるため、梱包業者へ使用材料を指定しておく。外箱のマークだけでなく、梱包写真を出荷前に保存しておけば、到着時破損の原因確認にも利用できる。
日本の設計会社にとって重要なのは、ガラスのデザイン性能と輸入実務を分離しないことだ。設計段階で製品構成を確定すればHS分類、重量、梱包、輸送方法を早期に算出できる。大型・高重量のガラスほど、設計変更が物流費と施工計画へ大きく影響する。中国製ガラスは製造価格だけでなく、工場から現場までの一連の条件で評価する必要がある。




