
佛山を中心とする中国のタイル産業は、日本のホテル、飲食店、住宅、商業施設向け調達先として利用されている。輸入実務では陶磁製品を扱うHS第69類が中心になるが、「ceramic tile」という商品名だけで税番を決定することはできない。第69類には耐火製品、建築用れんが、タイル、衛生陶器、食器など幅広い製品が含まれ、材質や用途によって項が異なる。
日本税関が公開する2026年8月版の輸入統計品目表では、第69類の各項について基本税率、WTO税率、EPA税率などが示されている。中国原産品についてRCEP税率の利用を検討する場合も、まず正しいHS分類を確定し、その税番にRCEP税率が設定されているか、原産地規則を満たすかを確認する順序になる。RCEPを使うから自動的に関税がゼロになるわけではない。
タイルの見積では工場価格だけでなく重量が重要だ。陶磁器は重量貨物で、20GPを使用する場合でも容積よりコンテナの重量制限が先に問題になることがある。40HQだから2倍以上積めるとは限らない。輸出港、船社、道路輸送、コンテナの最大積載重量を確認して積載計画を作る必要がある。
品質面ではサイズ、厚さ、反り、色差、表面欠陥、ロットを管理する。同じ品番でも焼成ロットが変わると色調が変化する可能性があり、施工途中で追加発注すると既存ロットと合わない場合がある。日本の現場では施工ロスと将来補修分を含めた予備数量を発注時に確保しておく方が安全だ。
さらに天然石調のセラミックスラブ、大判タイル、複合材など新しい製品は、従来の「タイル」という呼称だけでは分類判断が難しい場合がある。構成材料、製造工程、用途、製品写真、カタログを揃え、必要なら税関へ事前教示を求める。中国タイルの価格競争力を正しく比較するには、製品単価ではなくHS分類、関税、海上運賃、港湾費用、破損率まで含む着地原価で判断する必要がある。



