
中国から日本へ建材を輸入する際、上海―東京・横浜航路は距離が短く、海上輸送自体は数日である。Maerskが公開するSK1、SK2のサービススケジュールでは、上海から東京または横浜までのトランジットタイムは3日と表示されている。中国華東地区の家具、建材、設備を日本へ送る場合、海上区間だけを見ると非常に短い。
しかし店舗やホテルの工程管理で「上海から東京まで3日だから来週使える」と計算するのは危険だ。実際には工場から港への搬入、輸出通関、CYカット、船積み、海上輸送、日本港での荷揚げ、輸入通関、デバン、国内配送という複数工程がある。LCLではCFSでの混載・仕分け工程も加わる。
FCLの場合でも、工場の完成日と船の出港日は一致しない。予約した本船のCYカットに間に合わなければ次便となり、数日の遅れが発生する。台風、港湾混雑、船社のスケジュール変更も考慮すべきだ。特に中国の大型連休前後は工場、トラック、港の稼働状況を早めに確認する必要がある。
日本側では輸入申告に必要なインボイス、パッキングリスト、B/L、原産地関係書類、他法令資料を船到着前に揃える。RCEP税率を利用する場合は原産地証明関係の確認も必要になる。家具と照明、食器など異なる規制品を同じコンテナへ混載すると、書類確認が複雑になるため、出荷前に通関業者へ品目リストを渡す方が安全だ。
プロジェクト管理ではETDとETAだけでなく、「工場完成」「検品」「積込」「ETD」「ETA」「輸入許可」「倉庫入庫」「現場搬入」を別々のマイルストーンにする。上海―東京の海上3日は物流全体の一部分にすぎない。中国調達を国内調達に近い短納期で運用するには、船の速さより前後工程の標準化が重要になる。



