
2026年9月上旬の上海は、ホテル・宿泊施設のFF&E調達担当者にとって注目度の高い期間となっている。CIFF上海が9月5〜8日、Maison Shanghaiが7〜10日、Furniture Chinaが8〜11日に開催される。上海市政府の案内によれば、Maison Shanghaiは8万平方メートル、4ホールで20以上のテーマ展示を予定し、Furniture Chinaでは25カ国のブランドが参加する国際ブランドホールなどが設けられる。複数の大型展示会を同一都市で連続して比較できることは、日本のホテル開発会社や設計事務所にとって大きな利点だ。
ホテル調達では、家庭用家具を安く購入するという考え方ではなく、FF&Eパッケージとして評価する必要がある。ベッド、ナイトテーブル、デスク、ラウンジチェア、ソファ、ミニバー収納、テレビボード、クローゼット、鏡、装飾照明などは互いに仕上げを統一する必要があるため、一社ですべてを作れるかではなく、複数工場を管理して同一基準で納品できる体制があるかを見る。特に木部塗装、金属色、石材柄、張地はサンプル承認と量産品の差が問題になりやすい。
展示会ではモデルルームに近い形で製品を見ることができるが、採用候補が決まれば実際の工場確認へ進みたい。確認対象は木工設備、塗装ライン、金属加工の内製・外注区分、材料保管、完成品検査、梱包工程などである。日本向けホテル案件では、造り付け家具に使用する材料のホルムアルデヒド規制など、日本側の建築基準への適合確認も欠かせない。中国国内で一般的に販売できる製品であることと、日本の建築物でそのまま使用できることは別問題である。
もう一つのポイントは予備品だ。ホテルは開業後も客室家具の傷や金物故障が発生するため、同じ仕上げを数年後に再現できる保証はない。初回発注時に交換用金物、張地、化粧板、照明部品などを予備在庫として確保すると保守が容易になる。上海の集中展示会期間は商品を眺めるだけでなく、設計、量産、法規確認、物流、アフター部品まで含めたホテル調達網を構築する機会として活用すべきだ。



