
中国の住宅設備産業では、キッチンキャビネット、洗面化粧台、人工石カウンター、セラミック天板、ミラーキャビネットなどを一式で製作できる工場が多い。ホテルやマンション、飲食店の洗面スペースで採用すれば、特殊寸法やデザインを比較的柔軟に製作できる。しかし、日本の現場へそのまま輸入して設置できるとは限らない。
第一の確認項目は給排水位置である。中国工場へ建築図面だけを送るのではなく、日本側設備業者が確定した給水・給湯・排水位置を家具製作図へ反映させる。洗面ボウル下の引き出しと排水管が干渉するトラブルは典型例で、現場で家具を切り欠けば意匠と強度を損なう。配管用クリアランスを三次元的に確認する必要がある。
第二はカウンターとボウルの接合だ。工場で接着して完成品輸送する方法と、日本で組み立てる方法では破損リスクと施工工数が異なる。大型セラミックや石材天板は輸送中の曲げや衝撃に弱いため、木枠梱包や縦積み条件を工場と確認する。予備の小片を補修用として同梱すると、施工後の欠けへの対応がしやすい。
第三は木質キャビネットの材料である。国土交通省は、告示対象建築材料を使用した造り付け家具やキッチンキャビネット等もホルムアルデヒド規制の対象となり得ることを示している。中国メーカーが使用するMDFやパーティクルボードについて、日本側で必要となる性能資料を事前に確認することが重要だ。
第四は金物。キッチンや洗面台は毎日開閉するため、ヒンジとスライドレールの品質差がクレームに直結する。特殊な中国国内専用品を使用する場合には予備部品を確保し、日本で交換できる構造にしておく。水栓などについては家具とは別に、日本側で必要となる製品規格や接続条件を確認する。
最後に重要なのが現場寸法である。壁から壁までのキャビネットは設計図寸法で作らず、仕上げ後の実測を基本とする。左右にフィラーを設ければ数ミリから数センチの誤差を現場で吸収できる。
中国製キッチン・洗面台は「完成品を買う」のではなく、日本の設備条件に合わせて製造する半製品プロジェクトとして管理すると成功しやすい。設備図、家具図、材料表、梱包図を発注前に統合することが、価格メリットを施工現場まで残す鍵になる。
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