
中国にはキッチンキャビネット、洗面化粧台、ミラーキャビネット、シンク、水栓、シャワー、浴室家具などを一括生産するメーカーが多く、日本のホテル、住宅、賃貸物件でもコスト削減の候補となる。ただし水回り設備は家具と設備の境界にある商品で、寸法だけを合わせても日本の現場へそのまま設置できるとは限らない。
キャビネットでは本体寸法に加え、給排水位置、巾木高さ、壁固定方法、天板開口、機器寸法を確定する。日本製の食洗機、IH、レンジフードを組み込む場合、中国工場へメーカー図面を渡し、開口寸法とクリアランスを製作図に反映させる必要がある。現場で切れば済むという考え方は、化粧面破損や保証問題につながりやすい。
木質材料を使用する造り付けキッチンについては、国土交通省がシックハウス規制の対象となり得ることを明示している。MDFやパーティクルボード等を使用する場合は、日本側でホルムアルデヒド関連の扱いを確認する。中国メーカーが提出する国内試験報告だけで日本のF☆☆☆☆相当と判断しないことが重要だ。
水栓やシャワーはさらに慎重な確認が必要である。接続ねじ、給水圧、耐圧、温度条件、シール部材、カートリッジ交換の可否を確認し、施工会社へサンプルを渡して日本の配管部材との接続を事前検証する。デザイン水栓は完成後の補修が難しいため、交換用カートリッジ、ホース、パッキンを初回発注時に一定数確保するとよい。
浴室家具や洗面台では防湿性も重要だ。通常の家具用MDFを高湿度空間へ使用すると、木口から吸水して膨張することがある。基材の種類、木口処理、接着剤、塗膜を指定し、必要に応じて耐水試験を行う。ホテルなど大量採用では1室分のMock-up Roomを先行製作し、施工性とメンテナンス性を確認してから量産する方法が安全である。
中国のキッチン・浴室メーカーは製造範囲が広く、複数品目をまとめて調達できることが強みだ。ただし日本仕様を中国側へ合わせてもらうには、日本の施工会社が使用する接続条件と保守条件を最初に言語化する必要がある。商品単価より「現場で追加加工せず取り付けられるか」を調達評価の中心に置くべきである。
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