
中国からアルミ製ドア、窓、サッシ枠を輸入する際、税関の2026年実行関税率表では「戸及び窓並びにこれらの枠並びに戸敷居」に該当するHS7610.10は無税となっている。一方、同じ76.10項でも「その他」の7610.90には税率が設定されているため、アルミ建材をすべて同じ分類として扱うことはできない。完成した窓なのか、構造物用に加工した部材なのかなど、輸入時の状態によって分類を確認する必要がある。
店舗やホテルの設計者にとってさらに重要なのは、関税が無税であることと、日本の建築物に必要な性能を満たすことは全く別問題だという点である。中国メーカーへ開口寸法だけを送って発注すると、枠の納まり、アンカー位置、水切り、防水、ガラス厚、金物、気密・水密など日本側設計との不整合が生じる可能性がある。特に外部建具は雨水や風圧に直接さらされるため、価格優先で仕様を決めるべきではない。
発注前には平面・立面・断面のショップドローイングをメーカーから提出させ、躯体との取り合いを日本側設計者・施工者が確認する。ガラスを中国で組み込む場合はガラス仕様も別途確認し、金物については交換可能性と予備品を確保する。ホテル客室など同じ窓を大量使用する案件では、最初に実寸モックアップを作り、開閉、ロック、施工方法まで検証してから量産する方法が有効だ。
また、インボイスには「aluminium products」など曖昧な表記だけでなく、完成品の名称、用途、材質を明確に記載する。HS分類に疑義がある大型案件では輸入後に判断するのではなく、税関の事前教示を利用する選択肢がある。
中国のアルミ加工産業は特注寸法への対応力が魅力だが、建具は家具以上に建物との取り合いが重要な製品である。調達担当者だけで完結させず、設計、施工、通関の三者が製作前に仕様を確認することが、中国製建具を安全かつ経済的に採用する基本となる。


