
中国の家具・内装産業では、レストラン向けの椅子、テーブル、ソファ、カウンター、収納、装飾パネルを一社でまとめて受注する企業が増えている。上海で9月7日に開幕したMaison Shanghai 2026でも、素材、デザイン、ライフスタイルを横断した展示が行われ、商業空間で利用できる家具・インテリア製品を比較できる。中国調達のメリットは複数アイテムをまとめて製作できる点だが、飲食店では一括発注の便利さが品質管理上の弱点になることもある。
例えば客席椅子には繰り返し荷重、ぐらつき、張地の摩耗、交換性が重要になる。一方、テーブルでは天板の耐水性、耐熱性、エッジ処理、脚部の安定性が問題となり、造作カウンターでは現場寸法、設備との取り合い、配線・配管スペース、搬入経路まで考慮しなければならない。同じ「家具」であっても検査項目は異なる。このため発注書を「家具一式」とせず、アイテムごとに図面番号、材料、仕上げ、許容差、検査方法を設定することが基本となる。
飲食店特有の問題が清掃と水分である。家庭用家具として問題がない製品でも、営業店舗では毎日の水拭き、洗剤、アルコール、油分にさらされる。木質天板なら小口の防水処理、金属脚なら溶接部や塗膜、張地なら汚れ除去性をサンプル段階で確認したい。完成見本を眺めるだけではなく、使用予定の洗剤で拭く、熱い食器を置く、脚部を繰り返し動かすといった実使用に近い確認が有効である。
さらに中国から輸入する場合、交換部品をどう確保するかも設計段階で決めるべきだ。椅子50脚を輸入して1脚破損した際、同じ張地や金物を半年後に再製作できる保証はない。張地、塗料、金物の品番を記録し、脚、アジャスター、取手など消耗しやすい部材を予備品として同梱する方法が現実的である。中国家具を安価な完成品として見るのではなく、店舗運営期間全体を支える部材供給システムとして管理することが、飲食店施工会社に求められる調達方法である。


