
ホテル家具を中国から輸入する際、「予備を何%買えばよいか」という質問が多い。しかし全品目へ同じ予備率を設定する方法は合理的ではない。大型家具、椅子、金物、照明部品では故障確率と再調達コストが大きく異なるからだ。予備品は数量比率ではなく、交換不能になった場合の影響から決める必要がある。
例えばクローゼット本体を大量に予備保管するのは場所を取るが、専用ヒンジや取手なら小さな箱で多数保管できる。中国工場独自の金物はモデル変更で入手できなくなる可能性があるため、家具本体より金物を多めに確保する方が合理的な場合がある。張地や化粧板も同じロットを保存しておけば部分補修に使える。
照明付き家具ではLEDドライバーやスイッチなど故障可能な部品を交換式にする。電気部品については日本の法規適合を確認したうえで、同一仕様の予備を用意する。特殊な中国国内規格部品を使うと将来の調達が難しくなるため、設計段階で標準部品へ置き換える方法もある。
予備数量を決める際はMOQも確認する。初回は一個単位で購入できても、数年後の再発注では最低100個と言われる可能性がある。メーカーへ「5年後に一個だけ必要になった場合どうするか」を質問すると、保守対応力が分かる。
ホテル開業時には余った部品を廃棄せず、品番、写真、使用場所を登録した予備品台帳を作る。中国調達のコストメリットは初期価格だけでなく、運営期間中に安定して補修できて初めて成立する。家具本体、消耗部品、交換部品を分けて予備戦略を設計することが重要である。




