
ホテル一棟分の家具を中国でOEM製作すると、ベッドボード、デスク、ミニバー、ナイトテーブル、ラウンジチェアなど数百から数千梱包になる場合がある。製品が正しく完成していても、日本到着後に「どの箱がどの部屋の家具か」が分からなければ施工工程が混乱する。ホテル調達では梱包ラベルを品質管理の一部として設計する必要がある。
基本情報は案件名、建物、階、客室番号、家具コード、梱包番号、総梱包数である。例えば一つの家具が三箱に分かれるなら1/3、2/3、3/3と表示する。付属金物を別箱にする場合は、本体梱包番号と紐付ける。英語や中国語だけでなく、日本現場スタッフが直感的に分かるコード体系にすることが重要だ。
製造中から家具コードを使うとさらに効果が高い。加工部材、仮組み、完成検査、梱包の各工程で同じ番号を追跡できれば、左右勝手や寸法違いを防ぎやすい。上海WMFで示されているデジタル生産やトレーサビリティーの考え方は、大規模ホテル家具の管理にも応用できる。工場にシステムがなくても、バーコードやQRコードを使った簡易管理は可能である。
出荷前にはPacking Listと実際の梱包ラベルを照合し、コンテナ番号とシール番号も記録する。積載順は日本の荷下ろし・施工順を考慮する。施工階ごとに搬入する現場なら、同じ階の家具をまとめることで倉庫内の再仕分けを減らせる。中国家具調達ではFOB価格や製造品質が注目されがちだが、ホテル案件では「工場を出てから客室へ設置されるまで」の情報管理が同じくらい重要である。梱包ラベルを設計図の延長として扱うことが現場コスト削減につながる。



