
1688.comやAlibaba.comは、中国の家具、照明、タイル、金物、店舗什器などを探す際の有力な入口である。検索すれば多数の製品と価格が表示されるため、従来の展示会や現地市場より短時間で候補企業を集められる。しかしプロ向け調達で最初に確認すべきなのは価格ではなく、掲載している会社が実際に何者なのかという点だ。
中国のB2Bサイトには製造工場だけでなく、貿易会社、卸売会社、複数工場の商品を扱う販売会社も存在する。貿易会社を利用すること自体が悪いわけではない。小ロットで複数商品をまとめたい場合はむしろ便利である。ただしOEMで図面を渡し、継続的に同一品質を求めるなら、誰が製造し、誰が品質責任を負うのかを把握する必要がある。
候補企業には営業許可情報、工場住所、製造設備、主要製品、従業員規模、輸出経験などを確認する。オンライン商談では工場内をライブ映像で見せてもらう方法もある。量産案件では第三者検品会社や自社担当者が現地工場を訪問し、原材料倉庫、生産ライン、組立、検査、梱包工程を見ると、ウェブページだけでは分からない実態を把握できる。
価格比較では条件を揃えることが重要だ。同じ家具でも基材、表面材、金物、梱包が異なれば価格は比較できない。RFQには図面、BOM、数量、品質基準、梱包条件、希望する取引条件を付け、同じ仕様で複数社から見積を取る。極端に安い見積が出た場合は、材料や加工工程のどこが違うのかを確認する。
さらにサンプル注文と量産注文を分ける。サンプルを承認したら、その材料と仕様を量産基準として記録し、無断変更を禁止する。前金100%を当然の条件と考えず、取引実績や金額に応じて支払条件を交渉することも重要である。
オンライン調達サイトの最大の価値は「最安値を見つけること」ではなく、中国全土から短時間で候補工場を発見できることにある。検索、企業確認、サンプル、工場監査、量産検品という段階を踏めば、店舗・ホテル・住宅会社にとって強力な調達インフラになる。プラットフォーム上の評価だけで最終判断せず、自社の品質基準で工場を再評価することがプロ調達の基本である。


