
CIFF上海は2026年9月5~8日の第58回展で、新零售家具を主要テーマの一つとしている。公式発表では紅星美凱龍と共同で約8000平方メートルの新零售家具テーマエリアを設け、15の主要ブランドを集める計画を示した。中国家具市場ではオンライン販売から成長したブランドが実店舗へ進出し、商品だけでなく売場、物流、顧客体験まで一体化する動きが進んでいる。
日本の店舗設計会社にとって注目すべきなのは、中国家具の販売チャネルそのものより、メーカーの商品開発速度と小ロット対応の変化である。オンライン起点のブランドは商品更新が速く、撮影映えするデザイン、モジュール化、梱包効率を重視する傾向がある。こうした生産能力は日本の家具小売だけでなく、短納期の店舗什器や賃貸住宅向け家具にも応用できる可能性がある。
一方で、EC向け商品と業務用家具では要求性能が異なる。オンラインで人気の商品をそのままホテルや飲食店へ採用するのではなく、構造、張地、耐久性、補修性を確認する必要がある。商品サイクルが短いブランドでは数年後に同型品を追加購入できない可能性もあるため、商業施設では補修部品や予備品を確保しておくことが重要だ。
調達担当者は展示会で商品価格だけを聞くのではなく、年間生産量、主な販売チャネル、OEM比率、MOQ、モデルチェンジ周期を確認するとメーカーの性格を把握しやすい。中国家具産業の新零售化は、日本企業に新しい調達先を提供する一方、従来の大規模OEM工場とは異なるリスク管理を求める。デザインの新しさと供給継続性を別々に評価し、案件用途に応じて使い分けることが必要である。



