
中国から店舗用ガラス、ホテルのシャワーブース、間仕切り、ガラス扉などを輸入する案件では、「ガラス」という一語で見積や通関を進めると問題が起きやすい。日本税関の2026年輸入統計品目表第70類では、未加工板ガラス、加工ガラス、安全ガラスなどが別の項に分類されている。加工内容と製品形態を正確に把握してHS分類を検討する必要がある。
例えば第70.07項は安全ガラスで、強化ガラスおよび合わせガラスが対象となる。一方、第70.03項から70.05項のガラスを曲げ、縁加工し、彫り、穴あけなどの加工をしたものは、条件により7006.00に分類される。さらに枠や金物を組み付けた完成建具になると、単純なガラス板とは異なる分類を検討する必要がある。インボイスに「glass」だけを書くのではなく、材質、厚さ、加工方法、用途を明記することが通関上重要である。
店舗内装で中国へガラスを発注する場合、最も注意したいのが寸法確定のタイミングだ。強化ガラスは製造後の穴あけや切断が基本的にできないため、金物穴位置が数ミリ違うだけでも作り直しになる。現場の仕上げ寸法を測定し、ヒンジ、ハンドル、床金物などの型番を確定した後で加工図を承認する必要がある。
また、中国メーカーが提示する「tempered」などの表示だけで日本の建築用途に必要な性能がすべて確認できるわけではない。使用場所によって求められる安全性や防火性能が異なるため、設計者が用途を整理し、必要な試験・認定資料を確認する。特に防火戸や防火設備の一部として使用する場合には、ガラス単体ではなく認定された構成全体との整合が重要になる。
輸送面でもガラスは特殊である。大型板は木箱や専用ラックを使い、コンテナ内で荷崩れしない固定方法を確認する。木材梱包を使用する場合には、未加工木材についてISPM15に基づく処理・表示が必要となるケースがある。到着時の破損確認のため、工場積込時に梱包前後の写真を残しておくと保険請求や責任確認に役立つ。
中国製ガラスの価格競争力を生かすには、HS分類、加工図、金物、性能、梱包を別々に扱わないことが重要だ。特に一品物の店舗建具では、再製作による航空輸送が発生すると当初の価格メリットが消える。発注前の寸法確認こそ最大のコスト削減策である。
このページから、次の情報へ
製品・事例・専門記事・他サイトを行き止まりなくたどれます。
この記事に関連する専門サイト
飲食・建材・家具・中国工場・貿易の専門サイトを相互に連携しています。


