
中国の内装材市場では、木質パネル、石目調・金属調化粧板、樹脂パネル、吸音材、装飾シートなど、意匠性の高い製品が急速に増えている。CIFF上海でも家具単体から家具・建材・装飾を組み合わせた空間提案へ展示が広がり、設計者が完成イメージを見ながら材料を選べる環境が整っている。日本の店舗やホテルでも中国製内装材を採用する余地は大きいが、カタログ写真だけで決定すると施工段階で問題になることがある。
第一に確認すべきは防火性能である。日本では用途、規模、使用場所によって内装制限が適用され、不燃材料、準不燃材料、難燃材料などの指定や国土交通大臣認定が必要になる場合がある。中国の難燃試験やGB規格の試験報告書があっても、日本の認定と同一ではない。壁・天井の広い面積に使用する材料は、設計段階で日本側の法規担当者へ確認すべきだ。
第二はホルムアルデヒドである。合板、MDF、パーティクルボード、接着剤を使用した製品では、居室の内装に使う場合に建築基準法上の制限が関係する。日本ではF☆☆☆☆などの区分が実務上広く使われるが、中国側のE級表示などをそのまま読み替えることはできない。
第三は寸法安定性だ。長尺パネルは輸送中の温湿度変化で反りや伸縮が起こりやすい。日本の梅雨時期や空調環境を想定し、基材、含水率、伸縮クリアランスを確認したい。第四は施工方法で、専用接着剤、下地条件、ビスピッチなどが日本現場で実行可能かを見る。第五は補修性である。輸入材は追加発注に時間がかかるため、予備材を3~10%程度確保する考え方が必要になる。
中国内装材の魅力は、デザインの多様さと製造スピードにある。一方、建築材料として採用する場合は、家具のように完成品だけを見て判断できない。法規、基材、施工、メンテナンスまで含めて仕様を確定し、日本側施工会社と中国工場の双方で同じ施工条件を共有することが、採用後のトラブルを防ぐ鍵となる。
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