
中国からキッチン、洗面化粧台、浴室周辺設備を輸入する案件が増えると、最初に問題になるのが「一式商品を一式として扱えるとは限らない」ことである。中国工場ではキャビネット、人工石天板、水栓、シンク、ミラー、照明、コンセントまでセットで販売されていても、日本の輸入、建築確認、電気・給排水施工ではそれぞれ別の材料・設備として確認する必要がある。
税関の2026年実行関税率表では、台所に使用する種類の木製家具はHS9403.40など第94類に分類される。一方、シンク、水栓、陶磁製衛生器具、電気機器は材質と機能によって別類になる。セット価格だけをインボイスへ記載すると通関時に分類根拠が不足する可能性があるため、部材別価格、材質、用途が分かる資料を準備しておく方が安全である。
建築側ではさらにホルムアルデヒド対策が重要だ。国土交通省は告示対象建築材料を使用した造り付け家具やキッチンキャビネットもシックハウス規制の対象になると明示している。F☆☆☆☆など日本で必要となる等級・認定の確認を行わず、中国国内のE級などの表示だけで使用可否を判断することは避けたい。使用する合板、MDF、パーティクルボード、接着剤を設計段階で確認する必要がある。
水回りでは施工後のメンテナンスも価格に含めて考える。水栓カートリッジ、排水部品、丁番、引き出しレール、LEDミラーの電源などは消耗・故障する。ホテルや賃貸住宅で数十室導入するなら、予備部品を初回輸入時にまとめて確保する方が合理的だ。接続ねじ、配管径、排水位置、電圧も日本仕様で図面承認する。
中国製キッチン・浴室設備の強みは、人工石加工、キャビネット製作、金物、ガラス、照明などを一体でカスタマイズできることにある。ただし一体調達と一体審査は別物である。日本側では製品を機能別に分解してHS分類、建築法規、電気安全、給排水接続を確認し、最後に一式として施工できる状態へ戻す。この手順を踏めば、中国OEMのコストメリットを維持しながら現場リスクを大きく減らせる。




