
中国から店舗什器を調達するとき、工場で完成させて輸入する方法と、ノックダウン状態で輸入して日本で組み立てる方法がある。どちらが安いかは商品単価だけでは決められない。完成品は工場で品質確認しやすく現場作業を減らせる一方、梱包容積が大きくなり、輸送中の破損リスクも増える。ノックダウンはコンテナ積載効率を上げられるが、日本側の組立工数と施工精度が必要になる。
例えば棚やテーブルを完成品で40HQへ積むと内部の空間がデッドスペースになる場合がある。分解可能な設計にすれば同じコンテナでより多く輸送できる。しかし組立用金物が複雑だったり、現場で穴加工が必要だったりすると人件費が増える。設計段階で「輸送時寸法」と「現場組立時間」を同時に評価することが重要である。
中国工場へノックダウン設計を依頼する場合、家具量販品のような一般消費者向け構造をそのまま採用する必要はない。施工会社が組み立てる前提で、位置決め金物やボルトを使い、短時間で高精度に施工できる構造を共同設計できる。部材には番号を付け、梱包リストと施工図を連動させる。
また現場寸法に誤差がある造作什器では、完全完成品より調整代を持たせた部材方式が適する場合がある。逆に曲面什器や塗装一体仕上げは工場完成の方が品質を出しやすい。中国調達では「どの工場が安いか」だけでなく「どこまで中国で完成させるか」を設計段階で決めることが、物流費と日本の施工費を合わせた総コスト最適化につながる。




