
中国国家統計局が8月31日に公表した2026年8月の購買担当者景気指数によると、製造業PMIは49.8で前月から0.6ポイント上昇した一方、建築業の商務活動指数は46.9となり、前月を0.1ポイント下回った。国家統計局は一部地域の豪雨や台風など極端な天候によって施工進度が鈍化したことを要因として挙げている。建築業の業務活動予期指数は51.8で前月と同水準だったため、足元の施工量低下と中期的な事業者心理は分けて見る必要がある。
日本の建築・内装会社が注目すべきなのは、中国の建設市場が弱いという一つの数字だけで仕入れ判断をしないことである。同月の製造業では生産指数50.4、新規受注指数50.6、購買量指数50.5と50を上回った。さらに主要原材料購入価格指数は56.6まで上昇している。つまり中国国内の建築現場が一時的に鈍っていても、家具、照明、設備、金物など製造側では受注と調達が回復し、原材料価格には上昇圧力が出ている。
店舗やホテルの中国調達では、発注時に完成品価格だけでなく、アルミ、鋼材、木質ボード、樹脂、銅など主要材料の価格有効期限を確認したい。見積書に30日、60日などの有効期間を設定し、原材料変動時の価格改定条件を契約書やPOに明記する方法が実務的だ。また中国国内工事の閑散が輸出向け工場の余剰能力につながる場合もあるため、納期交渉では工場別の実稼働状況を確認する。
特に造作家具や特注金物は、発注後に材料価格を理由として追加請求されると日本側の工事原価を崩しやすい。BOM、材料規格、表面処理、数量、梱包条件まで確定したうえで価格を固定することが重要である。PMIは個別工場の価格を直接示す指標ではないが、中国調達の発注時期、値上げ交渉、納期リスクを判断する先行指標として毎月確認する価値がある。

