
2026年8月の中国PMIでは、建築業の商務活動指数が46.9と50を下回った。一方、国家統計局の解説によれば、電気機械器材やコンピューター・通信・電子設備などでは生産指数と新規受注指数がともに53を上回った。中国の「建築市場が弱い」というマクロ認識だけで、照明、スマート設備、電気部品まで同じ需給状況だと判断するのは適切ではない。
建材・内装市場にはセメントや鋼材のように建設投資へ強く連動する分野と、家具、照明、スマートホーム、設備のように製造業・消費市場・輸出需要の影響を受ける分野が混在する。日本の調達担当者は、自社が購入する品目のサプライチェーンを把握し、関連する産業指標を見る必要がある。
例えばLED照明やスマート設備では電子部品や銅、アルミなどの調達状況が価格・納期へ影響する。造作家具なら木質ボード、金物、塗料、張地が重要である。タイルや石材は建設需要と物流重量の影響が大きい。同じ中国調達でも価格形成の要因は異なるため、全商品へ一律の値下げ要求を行うより、BOMを分解して主要材料の状況を確認する方が合理的だ。
また建築業PMIが低い時期は、中国国内案件が減り輸出案件を積極的に取る工場が出る可能性がある一方、原材料価格指数は8月に56.6へ上昇している。工場稼働率が低いから必ず値下がりするとは限らない。日本企業はPMIを価格予測の単独指標として使うのではなく、工場の受注残、材料価格、輸出注文、納期と組み合わせて判断するべきである。中国市場を「建材全体」として見るのではなく、品目別の需給構造へ分解することが調達判断の精度を高める。

