
中国家具工場の会社案内には「月産○万台」「工場面積○万平方メートル」と大きな生産能力が記載されることがある。しかし日本の店舗・ホテル案件で必要なのは工場全体の最大能力ではなく、自社注文がいつ生産ラインへ入り、何日で完成するかである。大工場ほど大口顧客の定期注文を優先しており、小口特注案件のリードタイムが長い場合もある。
見積時には「Production Lead Time 30 days」という回答だけでなく、起算日を確認する。前金受領日、図面承認日、材料入荷日のどこから30日なのかで日本到着日は変わる。造作家具では図面承認に数週間かかる場合があるため、製造期間だけを工程表へ入れると遅延する。
工場監査では主要工程の内製・外注を確認する。木工は自社でも金属加工、石材、ガラス、塗装を外注している場合、外注先の納期が全体を決める。中国の祝日や繁忙期も考慮し、材料発注から完成までのクリティカルパスを把握する。
ホテル案件では全量を一度に完成させる必要がない場合、階別や部屋タイプ別に分割出荷する方法もある。先行階を早く出荷すれば日本現場の施工を開始できる。ただし分割輸送は物流費が増えるため、開業工程との比較が必要である。
工場能力を評価するときは設備台数より「現在の受注残」「自社案件の生産開始予定日」「一日当たり完成数量」を質問すると具体的になる。中国の製造業PMIなどマクロ指標も参考になるが、最終的な納期は個別工場の生産枠で決まる。発注書に完成予定日と出荷予定日を分けて記載し、週次で進捗を確認することが実務的である。



