
9月の上海ではCIFF Shanghai、WMF、Furniture Chinaなど家具・インテリア関連展示会が集中し、日本企業が新しいメーカーを探す好機となる。しかし展示会で気に入った商品を見つけ、その場で価格交渉して発注するだけでは中国調達のリスクは高い。店舗、ホテル、住宅案件では、候補発見から日本納品までを一つの工程として管理する必要がある。
最初の段階は候補選定である。展示会またはオンラインで5〜10社を抽出し、同じRFQを送り、価格、MOQ、納期、輸出経験を比較する。次に上位2〜3社について工場訪問またはオンライン監査を行い、生産設備、材料管理、検品、梱包を確認する。その後サンプルを製作し、図面、材料、色、機能を承認する。
量産開始後は完成を待つのではなく、材料入荷や初品を確認する。造作家具なら最初の数台を検査し、問題がなければ残りを進める。出荷前には数量、寸法、外観、機能、梱包を確認し、木製パレットを使う場合はISPM15表示もチェックする。
物流は量産完成後に手配を始めるのでは遅い。製造中にフォワーダーからFCL・LCL見積を取得し、20GP、40GP、40HQの積載を試算する。上海航運交易所のCCFIやSCFIは市場方向を確認する参考指標として利用し、実際の航路・コンテナ別運賃は個別見積で確定する。
さらに日本側ではHSコード、関税、RCEP、製品規制を発注前に確認する。家具が無税でも照明や内装材には別の法規確認が必要になる。中国調達を成功させるポイントは最安メーカーを見つけることではなく、設計、法規、製造、検品、物流、通関を一つの工程表へ統合することである。展示会を起点に約90日程度のモデル工程を作り、案件ごとに必要日数を調整すれば、開業日から逆算した現実的な調達管理が可能になる。



