
中国建材や家具の調達では、1688やAlibaba.comなどのB2Bプラットフォームを使えば短時間で多数の候補を探せる。しかしオンライン上で商品が掲載されていることと、その会社が実際に製造していることは別である。店舗什器、ホテル家具、照明、タイル、金物などのOEMでは、最初の検索をオンラインで行い、契約前に法人・工場・製造能力を別途確認する二段階方式が必要だ。
最初の問い合わせでは「いくらですか」だけを聞かず、会社の正式名称、工場住所、主要製品、製造設備、MOQ、サンプル期間、量産期間、輸出経験を同じ質問票で取得する。商品写真が豊富でも、実際には複数工場の商品を販売する商社の場合がある。商社そのものが悪いわけではなく、複数材料をまとめる案件では有効だが、メーカー直取引だと思って契約することが問題になる。誰が品質責任を負い、どこで製造されるのかを明確にすることが重要だ。
候補を数社に絞ったらビデオ確認または現地工場監査へ進む。会社看板だけでなく、原材料倉庫、加工設備、組立、塗装、検査、梱包まで工程順に確認すると実態を把握しやすい。造作家具なら木工設備だけでなく、金属・石材・張地をどこで加工するかも確認する。見積価格が他社より極端に低い場合は材料仕様、板厚、金物ブランド、表面処理、梱包条件が同一かを再確認する。
支払いでは、契約相手と銀行口座名義の一致を確認し、担当者から突然「別会社口座へ送金してほしい」と連絡が来た場合はメールだけで処理しない。仕様変更、追加費用、納期変更もチャットだけで終わらせず、更新版POや契約書へ反映する。中国家具製造業の利益が2026年1〜7月に大幅減となっていることを考えると、価格競争が強い時期ほど供給者の安定性確認が重要になる。
オンライン調達は候補発見の速度を大きく上げる道具だが、品質保証システムではない。検索、比較、法人確認、工場確認、サンプル、契約、検品という工程を省略しないことが、中国OEMを実務で成功させる基本である。



